旗竿地のコートハウス

●設計事例の所在地: 
東京都小金井市
●面積(坪): 
33.18坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

旗竿地でしかも建ぺい率が40%、容積率が80%という厳しい条件において、東南に中庭を設けてそれを囲むように片流れ屋根の平屋建てと切妻屋根の二階建てを組み合わせたプランとし、セキュリティを考慮して道路から玄関ドアが見えないようにあえて玄関アプローチ正面には玄関ドアや窓を設けませんでした。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

「旗竿地なので、採光と風通しがあまり良くないのではないか?」
「希望する住まいが、この敷地で予算内に実現可能か?」といったことを悩んでおられ、日当たりが良く洗濯物が干しやすく、また風通しのいい住まいを希望されていました。
また、生活動線を重視されて「洗濯場所と物干し場との動線距離や買い物から帰ってきた際にキッチンへすぐ行けるようにしてほしい。」ということも希望されていました。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

私の事務所へお越しになって今までに設計した住宅の模型や写真をご覧になり、依頼者が希望されていた外壁材や内部空間のイメージや素材感、色使いなどが気に入られたようです。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

敷地の東南に大きな中庭を設け、それを囲むように片流れ屋根の平屋建てと切妻屋根の二階建てを組み合わせたL字型のコートハウスにして、採光と風通しを確保するプランにしました。
建設コストを考慮して浴室、洗面脱衣室、トイレ、キッチンといった水廻り設備を出来るだけ道路に近い玄関アプローチ側に寄せる配置にしました。
外壁材は、建て主さまが希望されていたガルバリウム鋼板で、好みのブルーメタリック系をメインに、玄関廻りは玄関扉と同じシルバー系にしてアクセントを付けました。
玄関の隣に配したシューズクロークも土間コンクリートにして買い物から帰宅しても靴を履いたままキッチンに荷物を置けるようにしました。
また、洗面脱衣室で洗濯をしたあと、すぐに干せるように物干し場を中庭デッキテラスに設けて動線距離を短くしました。

依頼者の声: 

「外壁も希望通りで、色も気に入っています。
内部の色使いが落ち着いた雰囲気で、動線も使いやすく、洗面スペースも広く収納も十分です。
中庭も広くゆったりしていろいろと使い方がありそうで良かったです。
2階の寝室、子供部屋も屋根と同じ斜めの天井で高くて気持ちがいいです。
リビングとダイニングの床暖房は暖かく、入れてもらって良かったです。」

その他の画像: 

東南に設けた中庭から見た写真で、デッキテラスの奥の内部はリビングとなっており、リビングとデッキテラスとが一体的な空間となります。
このデッキテラスには、ハンモックをぶら下げたり、夏場にはテントが張れるように外壁に金物が取り付けられています。またこのデッキテラスは物干しスペースとなっていて、洗濯機がある洗面脱衣室からすぐに出られるようなプランになっています。

内玄関からシューズクローク越しにキッチン・ダイニングを見た写真です。
買い物から帰ってきたら、玄関から直接靴を履いたままキッチンまで行けるようになっています。

建て主さまのご要望で洗面カウンターを長くして水栓も2個設けました。
正面には三面鏡タイプのメディシンキャビネットと背後にはタオルや下着類をしまっておく収納を造り付けにしました。

キッチンからダイニングを見た写真です。
建て主さまのご希望で、ダイニングとリビングを分け、リビングにあるテレビをダイニングから見えないように、またキッチンからリビングのテレビが見えるようにリビング、ダイニング、キッチンの配置をL字にしました。
ダイニング奥には2階へ上がる階段があり、北面のトップライトから柔らかい光が差し込みます。

リビングからキッチンを見た写真です。
オープンキッチンにして、奥様もキッチンにいながらリビングのテレビを家族と一緒に楽しめます。
またリビングの天井を化粧根太現しにしてLDKの天井の高さと仕上げに変化を付け、間接照明にしました。

リビングと中庭デッキテラスを見た写真。
リビングの天井は、構造材の根太が現しになっているため、天井ふところがありません。
そのため、照明器具は間接照明と壁付けタイプになっています。
中庭の壁には、折りたたみ式の物干し金物が付いていて、周りを気にすることなく洗濯物が
乾かせます。

ダイニングスペースからキッチン越しに中庭デッキテラスを見た写真。
対角線状に抜けている空間のため、奥行き感がより一層あります。

階段は、すべて厚さ30ミリのラワン合板で造られていて、棟梁の力作です。
階段下は収納スペースになっていて、右側観音開き戸の下が空いている理由は、
ここに自動掃除ロボットが充電するために戻ることが出来るためです。

2階の廊下を見た写真。
行き止まりのないプランなので、思った以上に広く感じられます。
窓の位置を大きさは、風の流れ、光の入り方、隣家との関係を考慮して決めました。

2階の子供部屋です。
まだ二人の男のお子さんが小さいので、ワンルームしました。
天井は屋根勾配に合わせ、安価ではありますが決して安普請に見えないラワン合板の目透かし貼りにして自然塗料を仕上げとして塗りました。
また風通しなどを考慮して引戸の上に開閉式の欄間を設けました。

設計者

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真
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Last seen: 2日 22時間 前
登録日: 2012-07-24 10:26